C#を学ぶにあたって、エディタや開発環境のお話しをしました。
今回はタイトルにもあります、「.NET Core」というのが何なのかについてお話しします。
.NET Core
C#が登場したのは2000年台はじめのころで、Javaなどの良いところを取り込んでさらに一歩進めたプログラミング言語として開発されました。
C#は前回もお話ししたとおり「.Net Framework」上で動作するコードに変換されてアプリケーションとして動作するようになっています。
もちろん当初からJavaを改善したような言語でしたのでウェブアプリを開発することもできたのですが、Windows専用というイメージもあってJavaほど普及しているとはいいがたいのが事実です。
そうしたなか、ASP.NETというウェブアプリを開発するためのフレームワークをWindowsだけでなく、Mac OSXやLinuxといったウェブサービス開発で利用されている中心的なオペレーティングシステムでも動作するように(クロスプラットフォームと言います)、.Net Framework自体を更新するプロジェクトがはじまりました。
この成果のひとつが「.NET Core」であります。
「.NET Core」は以下のページを見ていただくとお分かりのとおり、MacでもLinuxでも動作します。
実際に、ASP.NET5はMac OSXで見事にサンプルアプリケーションを起動しました。
以前からMonoと呼ばれるWindows以外でも動作する.Netを開発するプロジェクトがありましたが、Monoがなくても動作します。
インストールするには
こちらのページに方法が書いてありますが、英語です。
そこで、簡単にインストールについて説明していきます。
Windowsの場合
Windowsの場合はインストーラを利用します。
ページ中にリンクがありますので、これをクリックするとダウンロードされてきます。
そうすると、「dotnet-win-x64.latest.exe」というファイルがダウンロードされます。
これをダブルクリックしてインストールを行います。
発行元が設定されていないためか、「WindowsによってPCが保護されました」という警告が表示されます。「詳細」をクリックすると「実行」ボタンが表示されるので、そちらをクリックします。
実行すると利用規約同意の画面が表示されます。
「I agree to the license terms and conditions」にチェックをいれて「Install」をクリックします(UACマークがありますので、管理者権限が必要です)。
あっという間にインストールは終わりますので、以下の完了画面が表示されたら「Close」をクリックするとインストールは終了です。
.NET Coreを利用する
ではインストールが完了しましたので、実際に使ってみましょう。
.NET Coreをインストールすると、便利なツールが導入されます。
「dotnet」というそのまんまな名称のツールです。
これはコマンドラインツールですので、コマンドプロンプトから実行するようになります。
「ファイル名を指定して実行」などからコマンドプロンプトを起動してください。
起動できたら、dotnetツールが利用できるか確認してみましょう。
コマンドプロンプトからチェックするにはwhereコマンドを利用します。
where dotnet
これでインストールされているファイルパスが表示されたらうまくインストールできています。
例として、手元のWindows10では以下のように表示されました。
C:\Program Files\dotnet\bin\dotnet.exe
次に、バージョンも見てみることにしましょう。バージョンを確認するには「--version」オプションを付けます。
dotnet --version
例として、手元のWindows10では以下のように表示されました。
C:\Users\motok>dotnet --version
.NET Command Line Tools (1.0.0-beta-001530)
Product Information:
Version: 1.0.0-beta-001530
Commit Sha: 6013ee0981
Runtime Environment:
OS Name: Windows
OS Version: 10.0.10586
OS Platform: Windows
Runtime Id: win10-x64
はじめてのC#(だけど何も書かない)
ではうまくインストールできているようですので、実際にはじめてのアプリをつくってみます。と言っても、まだC#について何も勉強していませんよね:)
でも大丈夫です。最初のサンプルアプリはdotnetコマンドだけで作成することができるのです。
どこか任意のフォルダに、サンプルプログラム用のフォルダをつくってください。
エクスプローラからでもいいですし、mkdirコマンドで作成しても大丈夫です。
そのフォルダを例えば「sample」フォルダとしましょう。
そのフォルダへ移動します。
そして、プロジェクト作成コマンドを実行します。
cd sample
dotnet new
すると、次のように表示されたと思います。
Created new C# project in C:\Users\motok\Documents\develop\sample.
sampleフォルダの中を見てみてください。
次の3つのファイルが作成されているのがわかるかと思います。
- NuGet.Config
- Program.cs
- project.json
それぞれについてはまた別で見ていくとして、今回はコマンドを実行していきます。
次のコマンドを実行すると、アプリをつくる準備をしてくれます。
dotnet restore
なにやらアルファベットがざーーーーっと流れていくと思います。
これはアプリ開発に必要なものを自動的にインターネット上から収集してダウンロードしてきてくれているのです。
ひとまず終了するまで待ってみてください。
このようになると完了です。
ここまできたら次のコマンドを実行します。
dotnet run
そうすると、次のように表示されたでしょうか?
Compiling sample for DNXCore,Version=v5.0
Compilation succeeded.
0 Warning(s)
0 Error(s)
Time elapsed 00:00:04.0748486
Hello World!
実際にアプリとして動作した結果は最後の「Hello World!」だけです。
dotnetツールのrunコマンドを実行すると、コンパイルと実行の両方がなされます。
ということで、本当に一文字もC#のコードを書くことなく最初のアプリを実行することができました。
次回からはC#の基本的な事項について、dotnetツールを利用して自動作成された「Program.cs」を見ながら勉強していきます。
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